パーソナルカラー診断が難しいモデルの似合う色の見極め方・ブルーベース編
2017年12月02日 更新日:
◆パーソナルカラー診断が難しいモデルの似合う色の見極め方・ブルーベース編
カラースクールIn-Living-color主宰の三浦まゆみです。
私が主催する【パーソナルカラープロ養成講座】では、モデルさんをお招きして、講師がパーソナルカラー診断の見本を見せて、受講生さんに似合う色の予想を立てていただき、勉強していただいています。生徒さん同士でドレーピングをしてモデル実習をするパターンもありますが、私はまず、見本を見てもらうようにしています。
なぜかというと、一番の正解パターン(講師の見本)を見ることで、正確な診断方法やお客様対応術を学ぶことができ、早く確実なスキルが身に付くと思うから。見本を見ないで、学び中の方がいきなり自分でやりだすと自己流になってしまい、結局正しいスキルを身に付けるのが遅くなってしまうのでもったいないです。
写真のような感じで、男性モデルさんもお招きして診断したりもしています。男性の似合う色診断の仕方が実際に見れるということで、生徒さんに喜んでいただいています^^
異業種交流会でご一緒している弁理士の山本さん。サマーが一番お似合いで、二番目にウインターがお似合いのブルーベースさんでした!クールな男!かっこよかったです^^
先日、似合う色診断が難しいモデルさんがいらしたので、ご紹介しますね。
「自分の似合う色がわからない。どうやって見つけるの?」「パーソナルカラーの仕事に興味があるんだけど、どんなことをするの?」「既にカラーの仕事をしているけれど、似合う色の診断に迷うことがある」といった方の参考にしていただけたら嬉しいです。
「パーソナルカラーって何?」という方は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
>パーソナルカラータイプ別「色の特徴、肌・髪・眼の特徴、タレント」のまとめ
今回の記事はこのような内容です。
【パーソナルカラー診断が難しいモデルの似合う色の見極め方・ブルーベース編】
【1】パーソナルカラー診断が難しいタイプの色素の特徴とは?
【2】カラーリストの思い込みが似合う色診断の間違いを引き起こす!?
【3】正確な似合う色診断に欠かせない色素チェック・ブルーベース編
【4】まとめ
【1】パーソナルカラー診断が難しいタイプの特徴とは?
「似合う色診断が簡単なタイプ」というのは、パーソナルカラーの各タイプの特徴にズバリ当てはまる方です。
例えば、サマータイプであれば、肌・眼・髪の色素のほとんどがサマーの特徴と合致していて、似合う色の傾向も典型的なサマーの色とバッチリ合っている、というケースです。
サマータイプが似合う芸能人を紹介するときに必ず名前が挙がる、吉永小百合さん、蒼井優さん、福山雅治さん、草彅剛さんなど。肌がピンク肌で繊細、眼は明るくて優しい感じ、髪はマットであまり多くなく細くて柔らかそう。サマーの代表色、明るく穏やかでブルーベースの優しいパステルカラーが似合います。
また、色素傾向の観点から言うと、頬や耳たぶにもともと赤みがあり、肌が薄い方は、ドレープを当てたときに顔色に変化が出やすいので似合う色と似合わない色の差が判別しやすいタイプです。
ドレープの色によって顔に影が入って暗く見えたり、肌に黄みが反射して黄色くなったり、赤みが出たり、顔色が変化するので、似合わない色を見極めるのが比較的簡単です。
逆に「似合う色診断が難しいタイプ」というのは、パーソナルカラーの各タイプの色の特徴にズバリ当てはまらない方。いろいろなタイプが混ざっていて中庸なタイプは、似合う色診断が難しいケースになります。
例えば、肌は薄くてピンクとオークルの中間の色なのでサマーとスプリングの両方の要素がある。髪は少なめでつやがあるからスプリングっぽい。でも、眼は明るくてソフトな印象なのでサマーっぽい。というように、1つのタイプに偏っていないケースは診断が難しいのです。
また、色素傾向の観点から言うと、頬や耳たぶにあまり赤みがなく血色が悪い方は、ドレープを当てたときに顔色に変化が出にくいので、似合う色と似合わない色の差が判別にくいタイプです。(血色が悪いからよくない、というのではなくこれも個性です^^)
ドレープの色によって顔に影が入って暗く見えたり、肌に黄みが反射して黄色くなったり、赤みが出たり、といった顔色の変化がないのです。この場合は、顔色を見て似合う色を決めるのではなく、顔とドレープとの全体の調和感を確認します。顔とドレープが自然になじんでいるか?取って付けた感じがしないか?ドレープの色でより顔が引き立つのはどれか?を見ていきます。
【2】カラーリストの思い込みが似合う色診断の間違いを引き起こす!?
似合う色は、その人が持つ色素(肌・眼・髪の色や質感)によって決まるのですが、ときどき、カラーリストの思い込みや思い違いで、正確な診断ができなくなるときがあります。ここでは、よくあるパターン3つを挙げてみます。
①着ている洋服の色にまどわされるパターン
そのお客様が着ている洋服がスプリングだと、スプリングタイプなのではないか?と思ってしまったり、サマーの洋服だとサマータイプなのではないか?と勘違いしてしまうことがあります。
それだけ、人は、着ている洋服の色の影響を受けやすい、ということでもあるのですが、着ている洋服の色を基準に似合う似合わないを決めてしまうと、洋服を着替えたら違うタイプになってしまうので問題ですよね。
この場合は、「今着ている洋服の色が似合っているのかどうか」「肌・眼・髪の色素がどのタイプに当てはまるのか」という客観的な視点を持つことが大事です。パッと見の洋服の色に惑わされないようにしてくださいね!
②メイクの色にまどわされるパターン
これは、私も毎回慎重になるところです。基本的に似合う色診断は素肌でするものなのですが(本来の肌色を基準にするため)、メイクを落とす前の肌色を見て、似合う色の見極めに迷うことがあります。
●本来の肌色と違う色のファンデーションを塗っているケース。メイクオフしたらオークル系ではなくピンク肌だった。(要するにファンデが黄色かった)
●チークがしっかり入っていて、血色がよいかと思ったら、メイクオフしたら血色があまりよくなかった。
●アイシャドウの色が黄みだったので、イエローベースのように思えてしまった。
など、けっこうメイクオフしたときとのギャップがあることが多いのです。やはり、「今しているメイクの色が似合っているのかどうか」「肌以外の髪や眼の色素がどのタイプに当てはまるのか」という客観的な視点を持つことが大事です。
そして、パーソナルカラー診断をするときには、少なくとも、リップと頬や目元の色モノはメイクオフしていただくようにしましょう。その方が正確な診断ができますし、お客様自身も顔色の変化がわかりやすいです。(というようにお客様にお伝えすると、ほとんどの方がご協力くださいますよ^^)
③その人の持つイメージ・雰囲気にまどわされるパターン
先日、カラーリストさんからこんな質問をされました。
「ウインタータイプの方は、皆さん眼が大きい気がするのですが、違いますか?」
なるほど…ウインタータイプは目力があるタイプなので、そういうイメージがあるのかもしれませんね。でも、似合う色と眼の大きさに相関関係はありません。眼が細いウインターさんもいますし、サマータイプでも眼の大きい人はいます。
ウインタータイプだと言われる、稲垣吾郎さんとか、高橋克典さんも、眼は大きくないですよね?
この質問からもわかるように、意外に私たちって、その人の顔の形・パーツとか、持っているイメージにまどわされることがあるんです。童顔だからスプリングタイプなんじゃないか?とか、眼が大きいからウインタータイプかも?とか、性格的におとなしそうだからサマーかな?とか。
確かにその人のイメージというのも、似合う色の予想を立てる上で考慮することもありますが、顔の形や性格でパーソナルカラーが決まるわけではないので注意が必要です。あくまでもその方の色素の傾向を根拠にした第一印象を見ていくことが大切です。
【3】正確な似合う色診断に欠かせない色素チェック・ブルーベース編
先日いらしたモデルさんの似合う色診断が難しかったのですが、最終的には、色素チェックを頭において診断したことで、スッキリと明確な根拠と共に診断結果を出すことができました。今回のケースはこんな経緯でした。
最初にモデルさんのドレーピングを始めたときに、一番似合わなかったのはオータムタイプでした。色を当てると、肌がくすんで見えて年齢より老けて見えました。
そして、ウインターの鮮やかな色をあてると顔立ちがパッと華やいでキレイ、暗い色でも顔が引き締まって目力が増す。やっぱりウインターが一番似合うタイプだね、と、受講生さんたちも即納得!モデルさんが写真掲載をOKしてくださったので、ご覧ください^^
ところが、その先が難しかったんです…
私の診断方法では、その方の似合う色傾向をより明確にして洋服選びがしやすくなるように、一番目に似合うタイプだけではなく、二番目に似合うタイプも診断します。
例えば、スプリングタイプが一番、サマータイプが二番目に似合う場合は、その人が色を選ぶときに一番大事にしたらよい要素は、スプリングとサマーの共通要素「明るい色(薄い色、淡い色)」ということです。
スプリングタイプは、「黄みがかった色で明るくて鮮やかな色」というように3つの要素を考えて色を探さなくても「顔周りは明るい色」という1つの要素だけで買い物できたら簡単ですよね。色選びの基準が明確で実用的なパーソナルカラー診断方法なんです。
こちらの記事にも詳しく書いてあるので、ご興味のある方は読んでみてくださいね。
「なぜ2番目に似合うパーソナルカラータイプを伝えるとお客様が納得するのか?」
今回のモデルさんに色をあてた結果…
●サマーの色だと、肌色はキレイにすっきり見えるけれど、パステルカラーだとなんだか物足りない。もっと濃い色の方が似合いそう。
●スプリングの色だと、鮮やかな色は顔立ちが引き立って見えるけれど、黄みが強いと肌が黄ばんで見える。
こんな見え方をしたので、受講生さんたちもだんだん眉間にしわが寄ってきて「ええ~~!わからなくなってきた!」とブツブツ…「こらこら、心の声が出てますよ~」と思わずツッコミました(笑)
本番だったらプロとしては言ってはいけないことですが、今回は授業中だったので、その迷走ぶりが面白くてモデルさんも一緒に大笑いしてました^^
私も見ていて、けっこう難しいな、と思ったのですが、やはりここでの判断基準になったのは色素でした。今回のモデルさんの色素傾向はこちらです。
●肌色はピンク系。ただし首がちょっと黄みでした。耳たぶにやや赤みはあるものの、そこまで頬に赤みがないので、しっかりした肌。
●髪は量は普通くらいで、コシのあるしっかりした感じ。茶色というよりは黒っぽい。
●瞳は暗めで黒っぽい感じ。目の印象が強いとよく言われる。
という色素傾向をもとに診断した結果は、一番似合うのがウインタータイプ、二番目に似合うのがサマータイプのブルーベースが一番大事な要素の方になりました。
やはり、グリーンよりブルーが似合います。顔半分にブルーをあてている方が、お顔立ちがスッキリ見えてリフトアップ効果があると思いませんか?
こちらも、左側のイエローベースの色だと、顔の色素と合わないので、なんとなくもたついてあか抜けない印象になります。右側のブルーベースの色の方がスッキリと洗練された印象です。
こんなふうに、色素傾向を元に色を当てて似合う色診断をしていくと、正確なパーソナルカラー診断ができるようになります。
ちなみに、もしこのモデルさんが一番目に似合う色がウインタータイプで、二番目に似合うのがスプリングタイプだったら、一番大事な要素は鮮やかさです。
イエローベース、ブルーベース、どちらの色でも、色が鮮やかなら似合うということ。そういう方の色素の特徴は、色みよりも質感に顕著に出ます。例えば、肌色に透明感があり、ツヤやかな感じ。髪もすごくツヤがあってキラキラしている。目もまなざしが強いかキラキラしていて印象的、というタイプです。
今回のモデルさんはどうだったかというと、目力はあるものの、そこまでツヤ、とかキラキラ感という要素はありませんでした。それよりも、肌がピンクで髪が黒っぽく、眼も黒っぽい、ということで、ブルーベースの要素の方が強く出ていました(イエローベースの人なら、オークル肌で髪も眼も茶色い)。
以上のことから、比較論で考えて、鮮やかさが似合うタイプではなく、ブルーベースのスッキリとクールな色が似合う、と結論が出たワケです。黒も、赤とダークな色のアクセサリーの組み合わせでも、全然負けません!むしろカッコイイ^^
ブルーベースの方があまり得意ではないブラウンを着る場合は、顔周りにブルーベースの色を入れて引き締めるといいですね。このスカーフはネイビーとパープルの組み合わせです。
【4】まとめ
今回は、パーソナルカラー診断が難しいモデルの似合う色の見極め方「ブルーベース」の事例をまとめてみました。
パーソナルカラー診断が難しいタイプは、各タイプの典型的な色素ではない、タイプの中間の要素を持っている方。また、肌がしっかりしていて、色による顔色の変化が出にくい方も似合う、似合わないの違いの見極めが難しいタイプです。
また、カラーリストの思い込みで、「着ている服」「メイクの色」「なんとなくのその人のイメージや雰囲気」に惑わされて、似合う色を勘違いしてしまうこともあるので注意しましょう。
なにより、正確な似合う色診断をするには、ドレーピングの色の見え方だけではなく、肌・髪・眼の色素の傾向を正確につかむこと。今回のモデルは、しっかりしたピンク肌・黒い髪・黒っぽい瞳が特徴的だったので、ブルーベースという診断になりました。
ブルーベースの方が似合う色の代表格は、ブルー、パープル、白、グレー、黒。逆に、グリーン、オレンジ、イエロー、ブラウン、ベージュが似合わない方は、ブルーベースが似合わない可能性が高いということになります。
まずは、パーソナルカラー診断に迷ったら、肌・眼・髪の色素の特徴を振り返ることから始めてみましょう。
テレビを見ていて、芸能人やアナウンサーの顔を見て、色素チェックの訓練をしてもよいですね。同じ人でもその日の洋服の色によって、元気そうに見えたり、イケてない感じに見えたり、そういった、色による顔色や印象の変化を見極めて、分析できるようになると、似合う色が正確に判断できるようになります^^
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